余ったプランターの有効活用

 〜ベランダにおけるカブトエビの継続的な自己繁殖方法の確立について〜

1.準備  容器  園芸用プラスチックプランタ−をベランダの日当たりの
           良い場所に置く
           (水が漏れないように排水穴が閉じれるもの)

      土  田土(秋から冬にかけて水のないときにカブトエビの
         発生していた水田より採取のこと(所有者の許可をもらっ
         てください) カブトエビの発生していない水田の土では
         なぜか失敗の確率高い)
         プランターに5〜10cm程度になるよう田土を入れる

2.採集  5月の中旬から6月の初めに、カブトエビの発生している水田
     より、できれば10匹程度を小さな鑑賞魚用のネット網ですくい
     採集する
     カブトエビは同じ地域の水田でも発生している田と全くいない
     田があるので根気よく探すこと
      

3.輸送  非常にデリケートで酸欠に弱いので輸送には必ず簡易ポンプか
     酸素を出す錠剤(量販店の鑑賞魚売り場で300円程度であり)を
     使用のこと。これをしないと輸送中に死んでしまう可能性が
     大きい
     そして1.で準備したプランターにゆっくりと放す   

4.年間管理

    @ 4月20日〜25日頃(日中の気温が20℃を越える頃)に土から
      約15cm位の高さまで水(カルキ抜きした水)をはる
    
    A 約10日〜14日でカブトエビのゾエア(体長1〜2mm程度)
      の発生が確認できる(水温25℃以上が孵化のポイント)

    B 金魚のえさ等(フレ−ク状のもの)を少しずつ与える
     (えさが残って水質悪化しないように注意)

    C プランタ-から暑さで蒸発した分の水を浄水で足し水し、
      水位を同じにキ−プする

    D 脱皮を繰り返し、成長早く1ヶ月で2〜3cmになる
      泥をはねあげるので、水に透明感がなくなり、にごり水に
      なる

    E 7月にはにごり水も消え、いつの間にか姿がみえなくなる
      (このとき既に産卵終了している)

    F その後は足し水の必要なし、からからに乾燥した状態で
      秋、冬と越年し、翌年の4月に水をはるまで、手入れ一切不要

    G 毎年このサイクルの繰り返しとなる


            
5.成果  現在(2011年5月)まで 上記の方法にて第6世代までの
     繁殖に成功している
     1番のポイントは、カブトエビの発生していた水田の土を
     使用することである

    

カブトエビは日本にはアジア、アメリカ、ヨーロッパカブトエビの三種が生息していますが、最近はどれもめっきり少なくなったとのこと、そういえば ホウネンエビもあまり見かけなくなりました
そこで、この生きた化石といわれるエビを何とか家のベランダで毎年孵せないかと試行錯誤したのが左のものです
今は観察用のキット(卵から孵す分)も売っていますが大きくして産卵させての繰り返しは難しいと思われます
初夏の田んぼをたまに覗いてみると、そこにはまた別の世界がひっそりと広がっていることに気付かされますよ

こちらがホウネンエビ

そういえばどちらも背面行動とるな(腹を上にして泳ぎますわ)

2011.05.22撮影

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